脚本・歌詞担当のミヒャエル・クンツェ氏は、本書のインタビューの中で、一つの世界(ハプスブルク帝国)の没落への興味、シンボルとしてのエリザベート、死を恋人にするアイデア、物語を語らせる人物、ルキーニ……、といった作品の構築過程を明らかにしています。
音楽担当のシルヴェスター・リーヴァイ氏は、《ママ、何処なの?》《僕はママの鏡だから》《ゾフィーの死》《私だけに》《最後のダンス》《ミルク》《闇が広がる》《愛と死の輪舞(ロンド)》《私が躍る時》《夜のボート》などの名曲がいかにして出来上がったかを披露。
宝塚版・東宝版ともに担当した演出家の小池修一郎氏は、宝塚版の成功や東宝版上演までのエピソード、そして作品の魅力を語っており、いずれの内容もミュージカル『エリザベート』をより深く味わえる情報ばかりです。
ミュージカル『エリザベート』2019がいよいよ開幕します。観劇前の予習に、あるいは観劇後の余韻を楽しむにも、おすすめの一冊です。
書籍編集室 室長 小川敦子