シナトラはどうして多くの人々にとって重要で有り続けたのか?
20世紀最高の歌手の音楽と人生を、アメリカを代表するジャーナリスト、ピート・ハミルが独自の視点で綴る――。
■概要
フランクシナトラ――アメリカのショウビズ界において、人々に夢と癒やしを与え続けた男。イタリア移民の子として生まれ、絶え間ない差別と兄弟のいない寂しさにさらされ、新聞記者との暴力沙汰、エヴァ・ガードナーとの結婚と破局、そしてギャングとの黒い噂……。すべてを乗り越え不死鳥のごとくカムバックしてきた彼を、アメリカのすべての人々が拍手で迎えた。
本書では、『ニューヨーク・スケッチ』『愛しい女』の著作で知られるピート・ハミルが、シナトラの真実に迫る。数々の賞を受賞したジャーナリストの筆によって、今まで誰も出会ったことがないシナトラが浮かび上がる。
■主な内容
1明け方近く
シナトラとビング/ニューヨークの新聞記者/町の奥の闇
2苦しみを夢に隠して
ホボーケン/移民の子の誕生/アメリカ人として
3寂しい町
「最低の法律」/少年時代の傷
4歌こそは君
「失うものは何もなかった」/シナトラ時代到来
5愚かな私
ドス黒い伝説/奈落の底
6私のすべてを
コロンビアからキャピトルへ/リドルとの出会い/カムバックの陰で/帰り着く先は音楽
本書の背景
ピート・ハミル
ブルックリン生まれ。小説家、ジャーナリスト、編集者であり、映画の脚本も手掛ける。1960年代、「ニューヨーク・ポスト」紙で活躍し、その他レポーター、従軍記者、スポーツライター、コラムニストとして数々の新聞に寄稿。「ニューヨーク・ポスト」「ニューヨーク・デイリー・ニュース」では編集長も務めた。40年にわたりジャーナリストとして活躍し、その功績に対し多くの賞を受賞。報道のみにとどまらず、これまでに8冊の小説と2冊の短編集を発表している。著書に『ニューヨーク・スケッチブック』『愛しい女(上・下)』『ブルックリン物語』などがある。
馬場啓一
1948年生まれ、福岡県出身。早稲田大学法学部卒業。作家、評論家、エッセイスト。CMディレクターを経て文筆の道に入る。ミステリー、ジャズ、映画、酒、シガー、マネー、ミュージカル、そしてファッションとジャンルを広げ、小説家としても活躍中。著書に『VANグラフティ』『酒場正統派宣言』『愛と悲しみのライカ』『いきの作法』などがある。