世界的に大ヒットしたアニメーション映画『ライオンキング』(94)は、ジュリー・テイモアの演出によって素晴らしいブロードウェイ・ミュージカルに生まれ変わった。その手の内を明かしたのが、本書である。衣裳や舞台美術の最初のスケッチを披露するだけでなく、これまでのブロードウェイ・ミュージカル史に例を見ないほどの複雑な作品が、試行錯誤を繰り返しながら初日を迎えるまでの長い道のりを、たくさんの写真やイラストとともに紹介している。
■目次
まえがき:トーマス・シューマーカー
謝辞
●第一幕:企画
台本
音楽
最初の視覚イメージ
動物
主役
・映画『ライオンキング』をいかにして舞台化するのか。ジュリー・テイモアが演出とデザインを検討したり、台本を膨らませたり、舞台用にアレンジしていく過程を紹介。
●第二幕:準備
デザイン――衣裳、マスク、パペット
演出、舞台装置、照明
サークル・オブ・ライフ/大草原/早く王様になりたい/象の墓場/ヌーの大暴走/ジャングル
フィナーレ:シンバとスカーの対決
ワークショップ
1996年8月/1997年2月
・人間と動物の二重性を強調した手法とは何か。細かな手書きの柄の生地、彫刻を施したマスク、独特のメーキャップなど、美術の舞台裏をデザイン画や写真で解剖。
●第三幕:本番
配役
ニューヨーク・リハーサル
主役級リハーサル
振り付け
音楽リハーサル
総仕上げ
ミネアポリス――遠方でのトライアウト
テクニカル・リハーサル
プレヴュー
初日
ブロードウェイに向けて
・キャスティングが決まるまで、役作りの過程、振り付けの詳細など、初日を迎えるまでのスタッフとキャストの入念な準備、苦労話などが綴られる。
あとがき