【出版の経緯】
2011年は映画『エデンの東』『理由なき反抗』『ジャイアンツ』で名演技を披露し、24歳というと若さで夭折した天才俳優ジェームズ・ディーン(本名ジェームズ・バイロン・ディーン/1931-1955年)が生まれて80年を迎えます。
悲劇的に語られることが多いジェームズ・ディーンですが、果たしてそうだったのでしょうか? 映画『ジャイアンツ』のスチールカメラマンとして図らずも彼の最期の85日間を撮影したサンフォード・ロスの写真からは、リスペクトし合う者たちが紡ぎ出す幸福な時間を感じ取ることができます。
人間として、俳優という名の芸術家としてひたむきに生きた彼の命の煌きをご紹介し、“一瞬一瞬を大切に生きること”の重要性を問いかけます。
【写真家プロフィール】
Sanford Roth(サンフォード・ロス)
1906年、ニューヨーク生まれ。1947年にパリに移り、写真家としての道を歩み始める。ヨーロッパとハリウッドの両方で活躍し、ジェームズ・ディーンはもちろん、ピカソ、ブラック、シャガール、ルオー、アインシュタイン、コレット、ストラビンスキーなどのポートレートで国際的名声を博す。自然光と当代の名士たちを寛がせる手腕で、数々の芸術作品を生む。作品は「ライフ」「ヴォーグ」「ハーパース・バザー」「パリ・マッチ」をはじめとする数々の一流誌を飾り、いくつかはニューヨークの近代美術館に永久コレクションとして収められている。1962年、ローマで亡くなる。
【本書の構成と特長】
●Part.1写真部分
ジェームズ・ディーンが亡くなる日までの85日間に撮影された1500点余りの写真の中から103点(未公開写真も含む)を選択。写真家サンフォード・ロスの目線に寄り添って構成。
●Part.2「俳優という名の芸術家」
キャスティングディレクター、演出家、作詞家、映画監督として世界的に活躍中の奈良橋陽子氏が語る、ジェームズ・ディーンが目指していたもの。
●Part.3「写真集刊行に寄せて」
ジェームズ・ディーンの甥、マーカス・ウィンズロー氏をはじめ、彼に縁のあったフランク・カサロ氏(アクターズ・スタジオ名誉芸術監督)、マーク・ライデル氏(映画監督、俳優、プロデューサー、アクターズ・スタジオ・ウエストブランチ芸術監督)が語るジミーの思い出。
●綴じ込み付録
二つ折りポスター